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こんにちは~チェリーです。
今回はイタリア映画
“Nuovo Cinema Paradiso ニュー・シネマ・パラダイス”
を紹介します。
映画監督のイタリア人男性が、恩人の死をきっかけに故郷の田舎へと戻り、幼い頃の思い出をふりかえる物語。主題曲(エンリオ・モニコーネ作曲)を知ってる人も多いのでは。
主人公の成長とシチリアの小さな村の風景を情緒豊かに描いた本作はカンヌ国際映画祭審査員特別賞、アカデミー外国語映画賞を受賞。イタリア映画の新たな金字塔となりました。
家で暇している皆さん、この機会に映画でも観てみませんか?この映画をみたら映画をもっと好きになるはずです。
基本情報
- 1989年公開(日本)
- 監督・脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
- 音楽 エンリオ&アンドレア・モリコーネ
- 制作 フランコ・クリスタルディ
- 出演 フィリップ・ノワレ、ジャック・ベラン、サルヴァトーレ・カシオ、マルコ・レオナルディ、アニェーゼ・ナーノ
あらすじ
シチリアの小さな村で暮らす少年トトは大の映画好き。村の映画館「パラダイス座」の映写技師アルフレッドと交流を深め、やがて自らも映画館で働くことに。初恋、兵役などを経て成長したトトはやがて村を出ていく。三十年後、アルフレッドの訃報をきっかけに、トトは故郷を訪れ、、、、、、。
感想
シチリアの田舎で
舞台は第二次世界大戦後のイタリア。
トトはシチリア島のジャンカルドという小さな村に住んでいます。
(以下は現在のシチリア島の写真。地中海に位置し、古くから色々な文化から影響を受けてきました。)
©️pixabay
トトの父は戦争から帰らず(後に戦死認定)、トトは母と小さな妹と共に暮らしています。
暮らしは楽ではありませんが、村の人や口うるさいけど人のいい司祭さんに見守られ、トトは毎日元気に過ごしています。
村の人々の唯一の娯楽は映画。村の映画館「パラダイス座」に、毎日子どもも大人も皆が集まります。
そのパラダイス座の映写技師アルフレッドは、しょっちゅうもぐり込むトトを叱りつつも、なんやかんや映画大好きなトトを可愛がるように。
ところがある日映画館で火事が発生。アルフレッドは必死で対応するものの火は消せず、パラダイス座は全焼。アルフレッド自身も大火傷をおい視力を失ってしまいます。
その後新たな映画館「ニューパラダイス座」が建てられ、トトがその映写技師をつとめることになり……。
やっぱり映画っていいなあ
主人公トトの成長とともに映画の在り方というものの変化をみせてくる本作。
トトの少年時代は、トーキーがすっかり主流となり、「白雪姫」をはじめとするアニメ映画も少しずつ生まれてきた頃です。
アルフレッドの映写室にあふれるフィルムをみるだけでノスタルジーを感じますよね~
トトが成人した頃には、テレビも出現し、庶民の娯楽が徐々に増えてきたこともうかがえます。小さかったトトも、エレナとの恋、徴兵などを経て自分の将来について悩みはじめます。
そして、ローマにでて映画監督として大成したトトが故郷に戻るころ、「ニューパラダイス座」は閉館しており、取り壊しを待っている、、、、、、。
他方、そんなトトをずっと見守るアルフレッド。
人生の大半を映写技師の仕事に費やしたアルフレッドは、年の離れた友人トトになにを見出していたのでしょうか。
トトを深く愛し、そしてその可能性を信じていたアルフレッド。
自身はジャンカルドで一生過ごしましたが、トトには広い世界にはばたいていくよう背中を押します。
「お前とはもう話さない。お前の噂をききたい。」
「自分にすることを愛せ。子供の頃、映写室を愛したように。」
「帰ってくるな、手紙も書くな」と厳しくトトを突き放すも、そこには彼なりの深く不器用な愛情があるのですよね。
それがわかるからこそトトも「ありがとう」と返したのでしょう。
戦争がやっとおわってもアルフレッドの子供時代や若さ、トトの父の命は戻らない。
燃えないフィルムができてもアルフレッドの視力は戻らない。
「進歩はいつも遅すぎる。」
人生はなかなか思うようにはいかないという切ない現実が、トトにチャンスを逃させたくないという強い想いにつながっていたのかもしれません。
そんな二人をずっとつないでいたのが映画。
ラストシーンで、かつての名作達のカットされたキスシーンのフィルムが映されます。
アルフレッドは幼いトトとの約束をずっとまもっていたんですね。
時代が変わっても、映画には人の心を動かし夢を与える不変の力がある
そんな気持ちにさせてくれます。
ヨーロッパ映画らしい色彩感
全体的に俯瞰するようなアングルでとられている本作。
シチリアの石畳の道や建物、穏やかな海。そこを行き交う人々。
南欧の暖かな気候と登場人物たちの心情が、静かに、でも確実に画面から伝わってきます。
イタリア映画なので当然イタリア語で皆話しているんですが、初老のトト役ジャック・ペランとアルフレッド役のフィリップ・ノワレはフランス人!!
ふたりとも他のイタリア映画にもでている有名な俳優ですね。
ちなみに他の主要キャストや制作陣はイタリア人です。こういう所もヨーロッパ映画という感じです。
まとめおすすめです!
- 映画が好きな人
- 昔の故郷が懐かしい人
- 人と人との本物のつながりを感じたい人
におすすめです!今ならNETFLIXで通常版がみられますよ~
それでは!