こんにちは~チェリーです。
ここのところ、学校の課題やテスト、バイトで忙しくてなかなかブログを書く時間を取れません泣。
こういう時「生まれ変わったら金持ちのマダムの飼い猫になってのんびり過ごしたいな~」と思うのですが……今回紹介する映画「泣きたい私は猫をかぶる」では、主人公が実際に猫に変身して冒険します。
本作は「ペンギンハイウェイ」で好評を博したスタジオコロリドの制作。劇場公開される予定でしたがコロナ騒動で状況がそれが延期になり、ついにNETFLIXに売り込んで全世界一斉配信という決断に踏み切りました。
劇場で観られなかったのは残念ではありますが、NETFLIXで配信したことでより多くの人にこの映画に触れてもらうきっかけになるといいですね。
基本情報
あらすじ
笹木美代(ささき・みよ)は、いつも明るく陽気な中学二年生の女の子。空気を読まない言動で周囲を驚かせ、クラスメイトからは「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれている。しかし本当は周りに気を使い、「無限大謎人間」とは裏腹に自分の感情を抑えて日々を過ごしていた。
そんなムゲは、熱烈な想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)へ毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった・・・。
(公式サイトより)
感想
猫をかぶって現実逃避
「だって日之出は女子の中で私と一番しゃべるし~」
ヒロイン失格のはとりちゃんみたいなこと言ってる主人公の名前は美代。(相手にウザがられてる分、はとりよりイタい感じかも)
中学生の女の子で、同じクラスの日之出賢人という男の子に夢中。
登校中の彼を「日之出・サンライズ・アタック!!」と叫びながら小突いたり、彼の声をスマホに録音しようとしたりともうやりたい放題。
空気を読まない言動から周りに「ムゲ(無限大謎人間)」と呼ばれ、親友の頼子にも「完全にストーカー思考」とあきれられる始末です。
しかし一方で、小学生の頃に母親が家を出ていき、現在は父とその再婚相手の薫という女性(と薫の飼い猫のきなこ)と暮らす家庭環境に窮屈さを感じている美代。
そんな家から逃げるように、今日も美代はベッドの下の猫の仮面を取り出して……
対する日之出も家に帰宅。日之出の父は他界しており、今は母と姉、焼き物工場を営む祖父と共に暮らしています。
将来は祖父のように陶芸をやりたいと思う日之出ですが、経営難のため工場は閉めることに。なかなか思い通りに行かない日々の中、最近家に来るようになった太郎という白猫が日之出の癒しです。
しかし時計の鐘の音を聞くと太郎はさっと外に出て行ってしまいます。屋根の上を伝い歩き、誰も見てない中太郎は飛び上がると美代の姿に変身します。
実は冒頭の夏祭りで出会った怪しい猫店主からもらったお面で、美代は自由に猫の姿になれるようになっていたのでした。
太郎の姿で日之出に触れて、ルンルン気分で妄想を爆発させる美代。
「もうずっと太郎のままでいいかも」
そんなことを思い始め……
もっと冒険してもよかったかも
本作のストーリー自体は王道。「女の子が猫になって恋して冒険して…」というだけなら「猫の恩返し」など他に有名なアニメ作品もあります。
では本作の何が特徴的かというとそれは登場人物たちの内面や葛藤をリアルに描こうとしたところでしょう。
美代は実際にこんな子がいたら多分ドン引かれるくらいに子供っぽい言動が目立ちますが、本心を打ち明けられるような存在が家庭にいないため、周りに上手く気持ちを伝えられないのかもしれませんね。
そんな美代の良き親友の頼子(この子がツッコんでくれないと美代がただのイタい子ですし)にも小学生の頃美代をいじめからかばえなかったという負い目があったり、美代を扱いかねてる日之出にも進路の悩みがあったり。
志田未来、寿美菜子、花江夏樹の演技と掛け合いがうまくそれを表現していました。
怪しげな猫店主を演じる山寺宏一の、うさん臭さとコミカルさを出した演技もさすがベテランといったところ。
ただ終わり方にはもう少し工夫がほしかったかも。
終盤日之出と美代が両想いになって猫店主から人間の顔を取り戻すのはいいんですが、結局美代が家庭に対して感じていた寂しさや気まずさは解決していないような……。
そこはあの母親経験のある元人間の猫が何かアドバイスして美代が行動を起こしたり、美代が猫になったことをきっかけに父親や母親が娘との関係を振り返ったりするとかがあるとキャラの内面性にもっと説得力があったかも。
せっかく「猫に変身」という要素があるなら猫の視点や生態なんかを活かした冒険要素があったらワクワクが増したしれませんね。
観ていて楽しい絵作り
本作の舞台は陶芸と猫の街として有名な愛知県常滑市だそうです。
夕日と焼き物散歩道のコントラストが素敵ですね~アニメでも丁寧に再現されていました。
あととにかく小物のこだわりがすごいですよね~
日之出の机の上には星図がはってありますが、それに対応するかのように美代のベッド脇には 天球儀らしきものがおいてあります。(二人とも特に天文に興味があるような描写はありませんが)
また美代の部屋の本棚には「ぐりとぐら」の絵本があったりと、細かいところで観客の目を引く工夫がありました。