CHERRY PICK LIFE

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エンタメ大好きな医大生によるブログ

ドラマ「POSE」シーズン1の感想とキャスト紹介 ~彼ら彼女らの人生ドラマ~

こんにちは~チェリーです。

今日はアメリカのドラマ「POSE」のシーズン1を紹介していきたいと思います!

 

POSEは1980年代のニューヨークでのLGBTQの人々の生き様を描いたドラマ。

ドラマGLEEの監督として知られ、自身もゲイだと公言しているライアン・マーフィーが製作総指揮を手掛けました。

 

このドラマのスゴイ所は総勢50名もの本物のトランスジェンダーの人々をキャストとして起用していること!

オーディションに半年もの時間をかけたそう。

当事者たちだからこそ伝えられるリアルさや想いの強さをドラマを観ていて感じますね。

 

LGBTQへの風当たりが強い80年代に、傷つけられ悩みながらも、互いに助け合い、自分たちへの誇りをもって生きようとする登場人物たちの姿に心が揺さぶられます。

 

物語を色づける、歌やファッション、ダンスなどのエンタメ要素もGLEEに引けを取らない派手さ、楽しさ、美しさを放っています。

 

あなたもこの世界に惹きつけられること間違いなしです。

 

 

あらすじ

1987年のNY。LGBTQのボールにすべてをささげるブランカは、自分のハウスを作り、エリート客に恋をした風俗"嬢"や才能あふれるダンサーのマザーとして歩み始める。

引用元 Netflix公式サイト 

POSE/ポーズ | Netflix

 

youtu.be

 

1989年のニューヨーク

行き場のないLGBTQの若者たちを「マザー」が受けいれ共同生活を送る「ハウス」が民間に存在していました。

そんな「ハウス」同士がファッションやダンスを競い合う社交会が「ボール」

 

そのうちの一つ、「ハウス・オブ・アバンダンス」に所属するブランカは、次のボールのアイデアを言ってみるものの、マザーのエレクトラに相手にされません。

 

その日の夜、ハウスの皆は美術館からロイヤルな装飾品を盗みだし、「Royalty(王家)」をテーマにしたボールで圧巻の存在感を見せつけます。(この後警察に逮捕されちゃいましたけど皆満足気(;´д`))

 

一方、100キロほど離れたペンシルバニア州では、17歳の少年デイモンが自分の部屋で大好きなダンスをのびのびと踊っていました。

しかしそこに父親が入ってきて「男がバレエダンスなんてするな!!」と怒鳴られてしまいます。

けれどデイモンは「僕はダンサーでゲイなんだ」と言い切ります。

父親はデイモンを殴りつけ、母親にも「罪人」呼ばわりされたデイモンは、一人家を追い出されてしまい……。

 

そのころ、ブランカは病院でHIV感染を告げられ打ちひしがれます。

自分の余命を意識したブランカは、ずっとやりたかった「自分のハウスを作る」という夢にむけて動きだします。

 

これを知ったエレクトラはカンカン。けれどブランカはハウス・オブ・アバンダンスを抜け、自分のハウスのメンバーを探すことに決めます。

 

勘当されたデイモンはニューヨークに出てきましたが、家も知人もなく公園のベンチで寝泊まりすることに。

ダンスをして日銭を稼いでいるデイモンをブランカは目撃し、「一緒にボールをやってみない?」と彼を自分のハウスに誘います。

 

そしてブランカの立ち上げた「ハウス・オブ・エバンジェリスタ」には、抜群の容姿の娼婦エンジェル、デイモンの恋人でハンサムなリッキー、お調子者のムードメーカーのパピなど様々なメンバーが集まってきます。

 

それぞれ悩みを抱える彼らは果たしてボールで活躍できるのでしょうか?

 

感想(ネタバレあり)

LGBTQコミュニティの内情が見える

 もう一話から涙がウルウルでした

 

今の時代にもつながるLGBTQへの差別問題や、NYのコミュニティの内情が描かれていて心を揺さぶられます。

 

後述するエイズの流行もあってLGBTQへの視線が冷たかった時代。

世間一般の心無い声もキツイですが、実の家族に拒絶されるのはまた格別の痛みがありますね。

だからこそ、同じ痛みを共有する仲間同士でハウスを作ったのでしょうけど。

 デイモンが両親から激しく拒絶され家を出るシーンや、ブランカが母の死をきっかけに、疎遠だった実家を訪れるエピソードは胸が痛くなります。

 

また、LGBTQと一口に言っても、彼らが常に一致団結している訳ではありません。

ボールは主にアフリカ系やヒスパニックの人々の間で発展しました。

性的趣向に加え、人種という点でも「下」に見られていた人々の文化ですね。

白人のゲイバーに行ったブランカはたたき出され、抗議したところ警察に逮捕されてしまいます。

 

ゲイとして差別を受けるデイモンやリッキー、プレイ・テル、「トランスジェンダーの身体」を売りつつも「女性の身体」を渇望するエレクトラやエンジェル、自分の性的趣向がよくわからないスタン。

 

皆それぞれの社会的立場の中で葛藤しているのですね……

80年代におけるエイズの恐ろしさ

この時代を代表する出来事として当時「死の病」と恐れられたエイズの流行がありました。

 

プレイ・テルの言うようにHIV感染を宣告されたらそこから先は余命になる」という時代だったんですね……

男性の同性愛者に感染者が多かったこともあり、LGBTQやエイズ患者への差別や偏見はますます冷たくなりました。

 作中でも、看護師が「どうせ近いうちに死ぬんだから」と平気で口にし、食事も部屋の外においていく様子が描かれています。

 

 その後1990年代に入ってから、長期的にエイズの発症を抑える治療薬が開発され始めました。

現在でも残念ながら根治はできませんが、週に1錠、月に一回の注射で発症を抑えられるようにまでなり、現在はHIV感染者の方でも性行為をし、お子さんをもっていらっしゃる方もいるようにまでなりました。

www.asahi.com

 

医療の進歩や正しい性知識の大切さを感じますね。

 

ハジけたファッションとパフォーマンス

 ボールのステージは毎回超ハデでヘンテコだけどオシャレ!!

華麗なドレスや、キレキレのダンスが画面をもりあげます!

プレイ・テルの「Live Life Pooooose!!!が耳に残りますよね笑

時にブーイングやバトルが起こるのも見てて面白い笑

 

ただ、ボールのテーマによっては「男性らしい/女性らしい身体」を競うこともあるので、それが安価で危険な手術に走る原因になってしまうこともあるのですね。

衣装やハウスの維持費を調達するために身体を売るエレクトラなど、格差はボールにも反映されてしまうのは、なるほどなとちょっと考えさせられました。

キャスト

ブランカ(M.J.ロドリゲス)

 

「ハウス・オブ・エヴァンジェリスタ」のマザー。

HIV感染をきっかけに自身のハウスを立ち上げ、デイモン達の面倒を見ます。

愛にあふれた人柄で、若いハウスのメンバーを時に励まし、時に叱咤しながら彼らの未来を応援します。

 

演じるM.J.ロドリゲスは幼いときから「女優」を目指し、14歳の時に両親に自分がゲイであると打ち明けました。

ボールにも14歳の時から参加し、奨学金をもらってバークリー音楽大学に通ったという生粋のエンターテイナーである彼女。

作中でも見事な歌声を披露しています。

デイモン(ライマン・ジャマール・スウェイン)

 17歳のダンサーの少年。

ゲイであることを理由に実家を追い出され、NYでブランカたちと出会います。

そいてハウスの一員としてボールに出場しつつ、NYのダンススクールで日々練習に励みます。

まだ若く世間知らずなところもありますが、素直で愛嬌たっぷりなデイモンはハウスの愛されキャラ。

 

演じるライマン・スウェインも、4歳のころからバレエ・ジャズ・ヒップホップ・モダンなど様々なダンスを習っていました。

現在29歳の彼ですが、純粋な雰囲気と抜群のダンスがデイモンのキャラにぴったりマッチしていますね!

エンジェル(インディ・ムーア)

抜群の容姿を誇るエンジェル。

ブランカについて「ハウス・オブ・アバンダンス」を去り、「ハウス・オブ・エヴァンジェリスタ」の一員となります。

 

娼婦として働く彼女ですが、妻子ある白人男性のスタンと恋に落ちてしまい……

 

 演じるインディ・ムーアもトランスジェンダーの俳優兼モデル。

14歳で家を出て、ニューヨーク内の全ての区に住んだ経験もあるなど人生経験豊富です。

 

画面越しでも伝わる美貌とオーラ✨

繊細な内面を持ちながらも自分らしく生きようとする姿勢がエンジェルと重なります。

 

リッキー(ダイロン・バーンサイド

デイモンの恋人でハンサムなダンサーのリッキー。

路上で寝て盗みをして暮らしていた彼ですが、デイモンの説得によりハウスの一員となります。

ダンスするデイモンに強く惹かれた彼ですが、有名アーティストのバックダンサーになるなど、自身もチャンスをつかみ始めます。

 

演じるダイロンはフロリダ出身の牧場育ち。

12歳の時からいとことヒップホップやR&Bを歌うバンドを組んで活動していました。

また、ダンスや演劇のプロデューサーなど幅広い分野で才能を発揮しています。

 

リル・パピ (エンジェル・ビスマーク・カリエル)

ボールで「ハウス・オブ・エバンジェリスタ」の活躍を見て加入したパピ。

ひょうきんで気も回る彼はハウスの皆とすぐに親しくなります。

しかし、ブランカに隠れてドラッグの売買をしていたことがバレてしまい……。

 

演じるエンジェルはマイアミ出身のドミニカ系アメリカ人。

高校在学中に演技に目覚め、ニューヨークの大学で演技を専攻しました。

大学生だった時に「American Adrift」という映画でデビュー。以後インディー映画などに出演し、「POSE」のパピ役で一躍有名になりました。

プレイ・テル(ビリー・ポーター) 

LGBTQコミュニティの「父」を名乗るプレイ・テル。

いつも軽快なトークとファッションでボールのシーンを盛り上げてくれる彼ですが、エイズを発症して余命短い恋人がいて、自身もHIVウイルスに感染していることが発覚。

 

デイモン達の前では必死にそれを隠しとおそうとするも、精神的に追い詰められてしまい……。

 

演じるビリー・ポーターは歌手・ステージパフォーマー・俳優・ファッションアイコンとしていずれも高い評価を受けています。

 POSEのプレイ・テル役で2019年のエミー賞主演男優賞を受賞しています。

 

エレクトラ(ドミニク・ジャクソン)

 

「ハウス・オブ・アバンダンス」のマザー。

わがままで毒舌な性格で、ハウスのメンバーからは好かれていません。

が、何やかんやブランカを気に欠けたりと憎めない一面も。(イジワルもいっぱいしますけど)

白人のパトロンからのお金で生活していますが、「完全な女性の身体になりたい」という想いから性転換手術を決意。

以後パトロンに見捨てられ生活が苦しくなっていしまい……

 

演じるドミニク・ジャクソンはトリニダード・トバゴ出身の女優兼作家兼モデル。

家族からもトランスジェンダーである自分を受け入れられなかった彼女は、18歳の時アメリカに逃げ出します。

以後ホームレス生活や風俗で働くことを経験し、ボールで紹介されたことをきっかけにハウスに拾われました。

今では自身のリアリティ番組「Strut」を持つほどになった彼女ですが、壮絶な人生経験の持ち主なんですね。

 

スタン(エヴァン・ピーターズ)

妻と子供が二人いるエリート白人男性のスタン。

一見充実した生活を送りながらも内心虚無感を抱えていた彼。

トランスジェンダーで娼婦のエンジェルと恋に落ち、家庭や社会的地位との間で葛藤します。

しかし奥さんや上司にこれがバレて大問題になってしまい……

 

演じるエヴァン・ピーターズは「アメリカン・ホラー・ストーリー」で有名。

エンジェルへの気持ちが何なのかわからず迷走するスタンの「得体のしれなさ」が良く出ていたと思います。

まとめ

 いかがでしたか?

LGBTQや当時の社会問題にしっかり向き合ってえがかれたこのドラマ。

HIV感染したブランカやプレイ・テル、スタンと別れたエンジェル、「ハウス・オブ・エヴァンジェリスタ」に入ったエレクトラ……。

続きがとっても気になる所でシーズン1は終わってしまいましたね。

 

シーズン2がNetflixで配信されるのが待ち遠しいです!!