怒涛の2020年ももう終わりますね……
ハロウィーンが終わった瞬間にクリスマスモードに移行するこの流れに今年もイマイチノれてないチェリーです笑。
今回は、そんな微妙な気分の方にもピッタリのクリスマス映画「ラスト・クリスマス」を紹介します。
主演は「ゲーム・オブ・スローンズ」や「ターミネーター」で言わずと知れたエミリア・クラークと、「クレイジー・リッチ!」などで有名なヘンリー・ゴールディング。
(「ヘンリー・ゴールディングって誰?」という方はこの記事のキャスト紹介をどうぞ↓)
cherrydaisukichang.hatenablog.com
この映画はWam!の名曲「Last Christmas」からインスパイアされて作られました。
誰もが聞いたことのある甘いメロディの曲ですが、じつはこれ「ほろ苦い失恋」を歌った曲なんですね。
Wham! - Last Christmas (Official Video)
「去年のクリスマス、僕は君に夢中だった。なのに君は振り向いてくれなかった……今年は新しい人を見つけようと思うけど、やっぱり君を忘れられないんだ……」みたいな(超意訳)
映画を観終わる頃には、この曲と映画に込められた本当の意味があなたにもわかるはず。
ぜひご覧ください!
あらすじ
ロンドンのクリスマスショップで働くケイトは、小妖精の格好をしてきらびやかな店内にいても仕事に身が入らず、生活も乱れがち。そんなある日、不思議な好青年トムが突然現れ、彼女の抱えるいくつもの問題を見抜いて、答えに導いてくれる。ケイトは彼にときめくけれど、ふたりの距離は一向に縮まらない。トムを捜し求めつつ自分の心の声に耳を傾けたケイトは、やがて彼の真実を知ることになる……。
引用:映画「ラスト・クリスマス」公式サイトより
予告編
感想
眉でしゃべるエミリア・クラーク
エミリア・クラーク演じる主人公のケイトはクリスマスショップで働く女性。
仕事中はだらけて店主のサンタ(ミシェル・ヨー)に怒られ、バーでひっかけた男とワンナイトし、あげくルームメイトに部屋を追い出されるという自堕落っぷりをみせます。
実際にいたらウザイどころではないでしょうが、エミリアのキュートでコミカルな演技(彼女眉でしゃべりますよね笑)のおかげでムカつきはしない笑
そんなケイトでしたが、実は歌手になりたいという夢があります。そのためにオーディションに向かいますがあえなく撃沈。
しかもケイトは最近まで心臓病を患っていて、母も姉もよると触るとその話題ばかり。
私の人生失敗ばかり……(@_@)
そんな時、トム(ヘンリー・ゴールディング)という不思議な男性がケイトの前に度々現れるようになります。
何故かケイトが落ち込んでいる時に限ってでてきて、ヘンなことばかり言う彼。
でも彼とロンドンの街を歩いたあとは少し心が上向きになる。
「上をみなよ」
そう言う彼の正体とは……
今のイギリス社会の問題もチラ見させる
この話の中心はケイトとトムですが、他の登場人物もとっても個性豊か。
彼らの様子から現代のイギリス社会の問題も垣間みえます。
ケイトは家族から本名のカタリーナで呼ばれていますがこれを嫌がります。
実はケイトの家族は旧ユーゴの内戦からイギリスに逃れてきた移民なんですね。
故郷では父は弁護士、母は歌手でしたが、今ではタクシー運転手と主婦として生活しています。
またケイトは子どものころから心臓が悪く、一家の生活は決して楽ではなかったでしょう。
昨今の移民排斥の風潮やBrexitの騒ぎもあって、母アデリアの心はやすまりません。
また、ケイトの姉マルタはそんな家族をみてきたこともあってか、勉強して弁護士になりました。
やっと心臓病が治ってもふらふら生きているケイトが心配で、ついつい言い方がきつくなってしまいます。
マルタには一緒に住んでいるアルバという女性のパートナーがいますが、両親にはどういう関係性なのか話していない様子。
(イギリスでは2013年に同性婚を認める法律が成立しましたが、宗教の影響でいまだに反対する人々もいるそうです。)
他にも、ロンドンのホームレスからは貧困問題や、(最初の頃のケイトをはじめ)多くの人がそれに無関心なのを感じます。
”I gave my heart”の意味
さて、この映画のオチはもう「歌詞どおり」でした。
トムはケイトの心臓移植のドナーだったんですね。
つまり、これまで登場していたトムはケイトの想像上の人物でした。
だからいつもタイミングよく現れてはケイトの欲しい言葉をくれたわけです。
ケイトがそれに気づいたとき、トムとの別れが訪れます。
今までのケイトは、病気から治ったとたん「普通の人」として過ごさないといけなくなったことから心に不安をかかえ、周りの人を気遣う心がありませんでした。
でもトムに出会って、「上を見る」ようになってから、今まで素通りしていた色んなことに気づきます。
大きなバッタの看板、草木に囲まれライトアップされた小さな公園、ホームレスの人達のためのシェルター、移民へのヘイトや家族の問題……
気づいたら、自分になにができるのかちょっと立ち止まって考えることができた。ちょっと優しくなろうと思えた。
それが結果的にケイト自身の人生も救ったのではないでしょうか。
最後、シェルターでのクリスマスショーでケイトが歌うシーンにはそんな素敵なメッセージが込められている気がします。
まとめ
いかがでしたか?
ただのラブコメと侮るなかれ!
現代のイギリス社会や人々の問題も浮かび上がらせつつ、観る人の心を温めてくれる素敵なクリスマス映画です。
まだ観てない方、今年のクリスマスに観る映画を決めてない方はぜひご覧ください!
それでは~