メリークリスマス!チェリーです。
皆さん今年のクリスマスはどうお過ごしでしょうか?
外出できないから家で過ごすという方も多いのでは。
そんな時こそ!「サンタクロースの誕生の秘密」を描いたこの映画をみておうちでもドキドキワクワクなクリスマスの気分に浸りましょう!
というわけで今回紹介するのは2019年度英国アカデミー賞を受賞したアニメ映画「クロース」
監督はスペイン人のセルジオ・パブロスという方。
ディズニースタジオ出身で「怪盗グルーの月泥棒」の原案者でもある彼が、今回自らのスタジオ「Sergio Pablos Animation Studios」で製作しNetflixで公開されたのだ本作です。
ポスターからもわかるように「3Dっぽさのある」手書きの2D作画も特徴的ですよね。
観賞したら、子どもだけでなく大人の心にも残る素敵な作品です。
Netflixに入っていてまだ観てない方はぜひ一度ごらんください。
あらすじ
親のコネで入ったロイヤル郵便アカデミーでぐうたら過ごしていた自己中青年ジャスパー。ある日とうとう父親に呼び出され、辺境の島スミレンズブルクに一年間派遣されることに。おまけに「一年間で六千通の手紙を配達できなければ家から追い出す」と告げられる。
しかたなくスミレンズブルクにやってきたジャスパーだが、その町は寒くて暗くて異様な雰囲気。町を代々支配するクラム族とエリングボー族が長年争い続け住民同士が敵対しているため、誰も手紙を送ったりしない場所だったのだ。
そんなとき、窓から子供の描いた絵が飛ばされてきて、「手紙」としてそれを届けようとするジャスパーだがその家の父親にみつかり失敗。
途方に暮れるジャスパーは、島の端に「木こりの家」があることを知りとりあえず訪れてみることにした。するとその家の中にたくさんのおもちゃがあるのを発見。そこに家主の斧を持った大男がやってきて、ビビッて逃げ帰るジャスパーは絵を置き忘れてしまう。
絵を拾った大男クロースは、ジャスパーに子供の家まで案内させ、自分の作ったカエルのおもちゃを届けさせる。おもちゃを見つけた子供は大喜びし、その様子をじっと見つめるクロース。
やがてこのことが町中に知れ渡り、「クロースさんに手紙を書けばおもちゃをくれる」と子供たちが郵便局にやってくるようになる。
手紙配達数を稼げると思ったジャスパーは、クロースに「一緒にこどもたちにおもちゃを配ろう」と持ち掛ける。これがやがてスミレンズブルクに奇跡をもたらすことになり……
予告編
感想
2Dアニメーション世界に明かりを
「もし2Dの手描きが進化していたらどうなってたのかを想像して作った」
2Dの作画に特殊な技術でライティングを施し製作された本作。
KLAUS | Lighting Time-Lapse Klaus
陰影がはっきりして立体感のある絵になっています。
劇中でもそのライティングが効果的に使われていましたね~
たとえばカエルのおもちゃを見た男の子が夢中で追いかけるシーン。
あそこで男の子が持っていたランタンがパッと周りを照らすのは、スミレンズブルクの町に希望が宿ったことも視覚的に表していました。
終盤クリスマスのライトアップで町が明るく照らされるシーン。
かつてはいがみあってばかりだった住人たちが互いに笑顔で挨拶するようになったスミレンズブルクを象徴していましたね。
2Dだからこそできる表現が追及されていて美しかったですね~
真心をこめたクリスマス
ストーリーやキャラクターもきちんと練られていました。
まずニート青年だったジャスパーと、教師としての仕事がなく仕方なく魚屋をやっていたアルバ。
この二人が「手紙」を通して自身の「仕事」や「居場所」を見つけていきます。
サーミの女の子マルグを登場させ、字が書けない子どもたちにも目くばせし、異文化との交流をサンタの誕生譚にもうまくからめてきました。
(マルグの吹き替えを担当したのはマルグと同じくサーミであるネダちゃん。
KLAUS | Character design: Finding Margu
パブロス監督との収録シーンがとってもキュートでほっこりしますね💛)
またクロースのキャラクターが単なる「気のいいおじいちゃん」でなかったところもいいなと思いました。
かつて子どもを望んだものの得ることができず、奥さんのリディアに先立たれてからは孤独に暮らしていたクロース。
そんな彼が「おもちゃ」を通して子供たちに喜びを届けていき、やがて新しい家族を得る……このあたりは大人の心にこそより響く物語のような気がします。
大事なものは目に見えない
ジャスパーの配達シーンや最後のパンプキンの結婚シーンなどドタバタギャグも盛りだくさんな本作。
その中にクロースの感じる目に見えない「魔法の風」の描写や余韻のあるラストがうまく溶け込んでいたと思います。
クロースがおもちゃを作っていた理由といい、ジャスパーの成長っぷりといい「クリスマスやサンタクロースの文化は誰かへの思いやりから生まれたものですよ」と優しくユーモラスに伝えてくる本作。
こういうメッセージがスッと入ってくる作品になったのは監督のセルジオ・パブロス氏の人柄がやっぱりあるんでしょうね。
メイキング映像などを観ていてもアニメ作りを心から愛していて楽しんでいる様子が伝わってきます。
次回作も期待大です。
まとめ
「サンタさんはなんで煙突から入ってくるの?」「サンタさんはサンタになる前は何してたの?」
どんな大人も一度は抱いたであろうこんな疑問やあんな疑問にユーモラスかつ誠実に答えてくれるアニメ映画「クロース」。
クリスマス映画の新たな定番となってほしいものですね。
ぜひ一度ご覧ください!