2011年からHBOが制作したファンタジー大河ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」
全世界で絶大な人気を誇り、昨年最終シーズンを迎えました。
そんなHBOに負けじとNETFLIXも新たなファンタジードラマを昨年12月に配信しはじめました。
その名も「ウィッチャー」
原作はポーランドの作家アンドレイ・サプコフスキによる小説シリーズ。
「ウィッチャー」は2007年からはゲーム化もされ、かなり高い評価を受けています。
(このドラマシリーズはゲームの話の前日譚にあたります。ゲームをやった人が見ても楽しめますよ。)
地元のポーランドではすでに国民的な人気を誇り、式典には大統領が登場したほどだとか。
「打倒!ゲーム・オブ・スローンズ」という気合十分なことが制作陣のインタビューからもひしひし伝わってくるなかなか豪華な仕上がりとなっている本作。
「ゲーム・オブ・スローンズはすごく面白いらしいけど、8シーズンもあるから今更おいかけるのはな~」という人も、今「ウィッチャー」を観れば新しい流行を先取りできるかもしれませんよ!笑
一緒に新しいファンタジーの波に乗っかりましょう!
あらすじ
魔法の存在するこの世界では、国家間や種族間の争いが絶えない。揺れ動く情勢の中、孤独な戦士であるウィッチャー・ゲラルト、暗い過去を持つ女魔法使い・イェネファー、滅亡したシントラの王女・シリの運命が交差し、世界に大きな影響を与えていく。
ちょこっと解説 世界観と用語
序盤から結構色んな名前やら設定やら出てくるのでウィッチャー初心者は混乱するかも。なので軽くまとめておきます。
世界観について
舞台となるこの大陸には昔エルフとドワーフが暮らしていて、対立や争いもおこっていました。
しかしのちに人間が侵入し入植を進めた結果、現在は人間による国家がいくつか存在しています。
エルフやドワーフたちの集落も点在しているようですが、人間に虐殺されたり奴隷として扱われる種族もいます。(シリを助けてくれた難民の少年の家のドワーフもそうでしたね……。)
作中に出てくる主な国家は「ニルフガード」と「シントラ」です。
「ニルフガード」は皇帝エムヒルが統治する南方の大国で、急速に北方へ領土をひろげるための侵略をおこなっています。
皇帝エムヒルの正体とその目的がこの物語の一つのカギですね。
「シントラ」は大陸中部の王国で、シリの故郷です。「雌獅子」と呼ばれる女王キャランセ(シリの祖母)によって治められていましたが、第一話でニルフガードから攻撃され陥落してしまいます。
用語説明
魔法使い(sorcerer)
世界中から魔法の素質のある人が集められ、「アレツザ」という魔法学校で集団生活をしながら魔法の修行をします。そうして一人前となった魔法使いを統括するのが「魔法協会」です。
基本的に各国から独立した立場である魔法協会ですが、それぞれの国に魔法使いたちを派遣したり、必要なら援護を行うこともあります。
主人公の一人イェネファーは学長のティサイアに見込まれ、魔法使いになっていきます。
ウィッチャー(witcher)
ウィッチャーとは魔法を使った格闘術で魔物を倒す戦士たちの呼び名です。
ウィッチャーたちは素質のある子どもを訓練し、最終的に変異させて(ミュータントにして)一人前にします。しかしその変異を行うことが出来なくなったため近年数は減ってきている模様。その能力や謎の多さから一般人からは基本的に敬遠されます。
ちなみにウィッチャーには男しかいません。
主人公の一人ゲラルトもウィッチャーの一員です。
感想
これはまだ序章にすぎない
本作が特徴的なのは「主人公三人の時間軸が異なる」という点です。
A quick crash course in the multiple timelines of The Witcher. #TheWitcher pic.twitter.com/qdBVq7ih7R
— NX (@NXOnNetflix) January 7, 2020
ウィッチャー初心者は最初の方はかなり混乱すると思います。
イェネファーの物語はシリの物語の60年ほど前、ゲラルトの物語はシリの物語の30年ほど前からスタートしてるんですね。
第三話でそれが明らかになり、最終話でゲラルトがシリに会合します。
つまり、ここからやっと本編がはじまるという感じです。めちゃくちゃ壮大ですよね~
お金かけてるだけあって、ファンタジーらしい映像美は圧巻です。特に最終話のソドンの砦の戦いのシーンとかゾクゾクします。
ただ正直あんなにセックスシーンいる?と思っちゃいました。話の筋とほぼ関係ないし……。
視聴者へのサービスなのか、ゲーム・オブ・スローンズを意識しすぎなのか笑。
続編決定!!
シーズン2の制作はすでに決定しています!2021年にNETFLIXで配信開始されます。
ゲームとのつながりは?
登場人物とキャスト
ゲラルト(ヘンリー・カヴィル)
”Hmm……”が口癖のわれらが主人公。
屈強なウィッチャーであり、行く先々で怪物退治をしては報酬をもらう放浪生活をしています。口数も少なく無表情ですが、愛馬のローチに話しかけたりする意外とお茶目な一面もあります。
旅の途中で、「ブラビケンの殺し屋」という物騒な二つ名を賜ったり、吟遊詩人のヤスキエルや魔女のイェネファーやトリスなどと知り合ったりします。
ヤスキエルと訪れたキャランセ女王の娘パヴェッタ王女の求婚式で、後にシリの父となる青年ダニーを助け、お礼したいといわれた結果しぶしぶ「驚きの法」*1を要求します。
するとその時パヴェッタが妊娠していることが発覚。こうしてシリと運命が結ばれることに。
キャストのヘンリー・カヴィルはスーパーマン映画やミッション・インポッシブルの出演で有名。2020年には映画「エノーラ・ホームズの事件簿」に出演します。
イェネファー(アーニャ・シャロトラ)
エイダン出身の魔女。生まれつき背中と顎の骨が曲がっており、村人からも家族からもひどい扱いを受けていました。
ある時ティサイアにその資質を見込まれ、アレツザで魔法使いになる訓練を受けていきます。やがてある代償を払って、美しい容姿と力を手に入れるのでした。
実の父はハーフエルフ。これが彼女の魔力と関係あるのかも……?
ゲラルトとイイ感じですが、イマイチ彼を信用できない模様。その生い立ちゆえか根底では「愛したい、愛されたい」という気持ちの強い女性です。
演じるアーニャ・シャロトラは新人女優。ドラマ「ワンダーラスト」などに出演経験があり、大きな役は本作が初めてです。父親はインド人、母親はイングランド人で、エキゾチックな美貌が目をひきます。
シリ(フレイヤ・アーラン)
シントラの姫で、ゲラルトの「驚きの法」の相手。
両親はすでに事故で亡くなったとされており、祖父母に育てられました。
シントラが陥落した後は祖母のキャランセ女王の遺言に従い、ゲラルトを探す旅にでます。途中でエルフの少年ダーラに助けられたり、ドリュアスの森に迷い込んだり、知り合いの魔法使い(に変装した追手)についていったりと忙しい。
母のパヴェッタと同様に魔法の素質がある模様。
演じるフレイヤ・アーランは19歳(2020年五月時点)の新人女優。ショートフィルムなどにちょこちょこ出演していましたが、本作でメインキャストの一人に大抜擢だれました。
シリは物語の時点で12歳の設定ですが、キャストのフレイヤはイェネファー役のアーニャと5歳しか違わないんですね笑。でもちゃんと子供に見えるのがすごいです。
*1:「驚きの法」とは、「相手が知らないうちに手に入れたもの」をもらう約束のこと