CHERRY PICK LIFE

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エンタメ大好きな医大生によるブログ

NETFLIX青春映画「好きだった君へのラブレター」~原作との違いは?~

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出典 https://filmarks.com/movies/79954

こんにちは~チェリーです。

今回はNETFLIX映画「好きだった君へのラブレター」を紹介します。

 

アメリカのティーン向け作品ってセックスとドラッグ三昧っていうイメージでちょっと苦手……」という方にもぜひおすすめしたい作品

New York Times紙に絶賛されたYA小説が原作で、アジア系の主人公の女の子がはじめて男の子と付き合う中様子をキュートに描きます。

友達や恋人と一緒でも楽しんでみられる作品なのでこの機会にどうぞ!!

 

あと、イケメンも出てきますよ笑

 

 

あらすじ

十六歳のララ・ジーンはちょっぴり妄想好きな女の子。男の子と付き合った経験はないが、好きな人ができると相手へのラブレターを書き、こっそりとお気に入りの箱にしまうことで満足していた。

 

ところがある時そんな5通のラブレターが本人たちに送られたしまう!しかも、そのうちの一人のピーターとある理由から付き合うことになって、、、、、、。

 

感想

アメリカ版少女漫画

「……少女漫画かっ!!」

上のあらすじを読んだらこう思うはず。

そう、ストーリーは割と王道でベタ。「目立たない女の子」が「学校一のイケメン」と偽装恋愛するという、日本の少女漫画によくあるネタですね笑

でも主人公の気持ちが素直に描かれ、キャストの魅力が発揮されているので、爽やかな青春映画にしあがっています。

 

ララ・ジーンはモテモテではないけれど、友達はいるし、虐められているわけでもありません。

母は数年前に亡くなっていますが、産婦人科医の優しい父としっかり者の姉マーゴット、お茶目な妹のキティーといたって幸せに平凡にくらしています。

時々気になる男の子ができるものの、ラブレターという形で気持ちを整理して満足。

 

そんなララ・ジーンの秘められたラブレター達がなぜか相手に送られてしまい、しかもその一人は姉の元彼のジョシュだったからさあ大変!!

ジョシュにもう恋心はないことを示すため、とっさにラブレターの相手の一人のピーターにキスしてしまうララ・ジーン。その後元カノのジェン(ララ・ジーンの元親友)の気を引きたいピーターと利害が一致し、付き合っているふりをすることになるのですが……。

 

最初は恋愛小説を読んで妄想することぐらいしか体験はなかったララ・ジーンですが、ピーターと一緒に過ごすうちに、リアルな恋愛に向き合っていきます。

ピーターの家族と会ったり、ホットバス動画の流出事件(ネット世代の恋愛のリアルですね)を経たりして恋の甘さも苦さも知っていくララ・ジーン。

そして最後は自分からピーターに気持ちを伝えにいき、本当のカップルになるのでした。

 

いかにもなハッピーエンドですが、これまでのハリウッドでのアジア系俳優たちの扱いを考えるとかなり大きな進歩ですね!!普段語られることは少なかったアジアン達だって、アメリカの中で普通に恋してるんだというメッセージが力強いですね。

 

 

 

ファッションがかわいい!!

映画に出てくるララ・ジーンのファッションがとってもカワイイですよね❤

アジア人の女の子なので、私たちにも真似しやすいので、コーデの参考にしやすいですね。

 

 

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出典 https://www.seventeen.com/fashion/a22814974/lara-jean-style-to-all-the-boys-ive-loved-before/

個人的にはこのオーバーオールのファッションが好きです。足元のスニーカーもワンポイントになっていておしゃれ。

大学に行くとき真似しようかな。

 

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出典 https://shoplook.io/outfit-preview/127969

あとこのコーデも好き❤

ラナと体型が似ている人にはオススメです。

原作と比べると

原作は2014年に発表された「To All the Boys I've Loved Before」というYA小説です。
気になったので私も読んでみました。
ララ・ジーンの視点から語られるところは同じですが、ロマンスの成分が大きかった映画に比べ、家族や友達、学校生活についてよりフォーカスして書かれています。特にララ・ジーンの亡き母や、姉マーゴット、親友のクリスのキャラが掘り下げられています。
簡単で読みやすい英語を使っているので、英語学習者のかたにもオススメです!
 

 著者は韓国系アメリカ人のジェニー・ハン。

このシリーズの他に、The Summer I Turned Prettyという三部作で有名です。

 

続編もあるよ!!

原作小説は続編があり三部作構成になっています。

二巻↓

三巻↓

 
表紙をみたらわかるように、二巻はすでに映画化されNETFLIXで配信されています。
一作目のラストにでてきた、ラブレターの相手の一人ジョンが登場。ピーターと無事付き合い始めたララ・ジーンでしたが、恋の試練はまだまだつづいて……というお話。
 

気が向いたら二作目の紹介記事も書こうと思います笑 

キャスト

ララ・ジーン役はラナ・コンドル。

ベトナム生まれで、幼少期にコンドル夫妻の養子になりシカゴで育ちました。

子どもの頃からバレーを学んでいたそうで、健康的な魅力が光る彼女。

映画「X-Men アポカリプス」などに出演してきましたが、主役を務めるはララ・ジーン役が初めてです。

ピュアで無邪気な雰囲気が、内向的で乙女志向なララ・ジーンとマッチ!!共感性大の主人公を演じ上げました。

 

ピーター役はノア・センティネオ。

フロリダ出身で、ディズニーチャンネル出身で、ドラマ「フォスター家の事情」にシーズン3からメインキャストとして出演。

他にもNETFLIXの学園映画「シェラ・バージェスはルーザー」にも学校一のイケメン役ででています。

端正な顔立ちとカメラ映えする高身長で、「インターネット上の彼氏」としてモテモテの役者さんです。

映画「名探偵ピカチュウ」の紹介と感想~ポケモンは進化を続ける~

言わずと知れた国民的ゲームポケットモンスター

1996年にゲームボーイ用ソフト「ポケットモンスター赤・緑」が発売されて以来、テレビアニメ、カードゲーム、キャラクターグッズなどの多様なメディアミックス展開がなされてきました。

そして2019年、ついにハリウッドでポケモンの実写映画が公開されました。

その名も「名探偵ピカチュウ

同名のゲームを原作とした本作は、予告編が公開されるや否や、世界中で大きな話題になりました。

「また変にハリウッドナイズされてたらどうしよう、、、」と思ったかたも大丈夫。そんなファンの心配も払拭する、ポケモン愛に満ちた作品となっています。

 

ポケモンファンなら大人も子供も皆が楽しめますし、本作からポケモンワールドに飛び込むのも大丈夫!!

 

ぜひご覧あれ!

 

基本情報

あらすじ

かつてポケモンのことが大好きな少年だったティムは、ポケモンに関わる事件の捜査へ向かったきり、家に戻らなかった父親・ハリーとポケモンを、遠ざけるようになってしまった。

年月が経ち大人になったティムのもとにある日、ハリーと同僚だったというヨシダ警部)から、父が事故で亡くなったという連絡が入る。

複雑な思いを胸に残したまま、ティムは人間とポケモンが共存する街・ライムシティへと向かう。

荷物を整理するため、ハリーの部屋へと向かったティムが出会ったのは、自分にしか聞こえない人間の言葉を話す、父の相棒のピカチュウだった。

感想

可愛すぎるしわしわピカチュウ


【公式】映画「名探偵ピカチュウ」ダンス篇

 

「可愛すぎてピカチュウがいないこの世の中にイライラする」

というコメントがありましたが、それくらいの可愛さですよね❤

実写化では、本物の人間のとなりにポケモンが並ぶわけですから、従来のツルっとした体だとどうしても違和感がでてしまいます。

けどあんまりリアルにしすぎると気持ち悪いし、「ポケモン」というキャラクター性がなくなってしまう。

そこで、体毛や体面はリアルに描きフォルムはそのままにして、目などの顔のパーツやシワを駆使して表情をつけることにしたのです。

これが大成功!!独自の可愛さをもったピカチュウを生み出したのでした。

 

 

 声がライアン・レイノルズっていうのもギャップ萌えですよね笑。一応、このピカチュウがこの声で喋るのには理由があるのですが。

ポケモンが人と暮らしてる!!

ガーディが警察犬やってる!ゼニガメが消防隊にいる!!

ポケモンのアニメを見てきた人には、この光景はもうたまりませんよね~

あとドゴームがスピーカー役をやってるあたりとか、何となく「ベストウィッシュ」のホミカを彷彿とさせますし、、、、、、。

 

他にも、エイパムゼニガメ、カイリキー、ドゴームなど全部で60種類ものポケモンが登場!!

個人的にはカビゴンがふさふさでお気に入り笑

あなたはぜんぶ見つけられましたか?


【公式】映画「名探偵ピカチュウ」オーディション特別映像


【公式】映画「名探偵ピカチュウ」WEB用プロモ映像②

 

原点回帰したポケモン映画

この映画のストーリーは大筋元のゲーム通り。割とシンプルです。

注目したいのはミュウツーが登場するというところ。

相変わらず強すぎてラスボス感がぬぐえないミュウツーですが、劇場版ポケットモンスターの第一作も彼が主役の「ミュウツーの逆襲」でした。

狙ったのかどうかはわかりませんが、ポケモン映画が原点に帰ったともいえますね。

 

また、最後に主人公ティムが父と再会し、「自分の本当の家に帰る」というのも象徴的。

ゲームでもアニメでも、ポケモンの主人公たちは、シリーズの最後にスタート地点に戻ってきます。

そして更なる冒険にまた出かけるのですよね。

制作会社のレジェンダリーにも、この一作を機に、また新たな挑戦をしてほしいところです。

新たなポケモン実写を観られるのを楽しみにしています!

 

まとめ

ポケモンの歴史に新たな一ページを加えた本作。

ポケモンワールドをたっぷり堪能できる仕上がりになっています。

ぜひご覧ください!

 

ちなみに原作のゲームはこちら

 

 

森絵都の小説「みかづき」の紹介と感想 ~教育が与えてくれるもの~

こんにちは~チェリーです。

今回は小説みかづきを紹介します。

 

みかづき」は、一つの塾を舞台として、塾といものの名すら知られていなかった1960年代から、高度経済成長期を経て、少子化がすすみ、塾の経営が難しくなった2000年代後半までを描いた長編小説です。

 

 

本作は本屋大賞2位、中央公論文芸賞を受賞するなど、読者からも批評家からも高い評価を受けた作品です。

 

年配の方は日本の移り変わりにノスタルジーを感じ、若い方は自分が知らなかった日本の生活や教育の歴史に興味をもつのではないでしょうか。

 

ベテラン作家森絵都が描く「教育」小説をぜひお楽しみください!

 

 

あらすじ

昭和36年(1961年)。小学校の用務員だった大島吾郎は、放課後の用務員で子供たちに勉強を教えていた。ある時、蕗子という少女の母千明に見込まれ、共に学習塾を開くことに。これをきっかけに、何代にもわたる大島家の波乱万丈な人生が幕を開ける。吾郎と千明は結婚し、子供も誕生。ベビーブームや高度経済成長期などの時流にも恵まれ、塾は成長していくが、、、、、、。

著者紹介

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作者の森絵都は1968年生まれ。シナリオライターを経て、1991年に「リズム」で講談社児童文学新人賞を受賞し、作家デビューしました。

重松清と並んで「中学入試の国語の問題によく出題される作家」でもあります。「宇宙のみなしご」や「アーモンド入りチョコレートのワルツ」などは、見覚えのある方の多いのでは。

入試によく出るということは、学校や塾の先生に薦められる作家でもありますね。

そんな方だからこそ、やはり子供をとりまく「教育」というテーマに引かれたのではないでしょうか。

その後2006年に「風に舞いあがるビニール袋」で直木賞を受賞します。以降、大人向けの小説にも作品の幅を広げています。

感想

「塾」を通して見える日本の教育界

タイトルの「みかづき」は、学校を「太陽」としてみた時の塾を現した言葉です。

最初にこの表現をつかったのは千明でした。

「私、学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです。太陽の光を十分に吸収できない子どもたちを、暗がりの中で静かに照らす月。今はまだはかなげな三日月にすぎないけれど、かならず、みちていきますわ」

       森絵都みかづき」第一章「瞳の法則」より

この言葉からわかる通り、元々日本の「塾」というものは、学校の授業についていけない子どもたちに勉強を教えるところでした。

戦後日本が豊かになるにつれ、高校や大学に進む人数が急増。でも学校の数は足りない。

限りある椅子を奪い合うために受験戦争が勃発するんですね。

すると今度は塾が学校に先んじた内容を教え、進学のための施設となっていく。

 

吾郎はそんな現実と自らの教育の理想の間で葛藤し、次第に経営の拡大を重視する妻の千明とも溝を深めてしまいます。

けれど千明の言い分も無下にはできないところがあります。

つぶれる心配のない公立校と違い、塾はそもそも金を稼がなくてはいけないビジネスなのです。

文部省の唱える方針もコロコロ変わるし、雇っている教師への給料や土地代の心配、競争相手の邪魔だってある。夢見るだけではやっていけない。

かつて教育への情熱を共有していた二人は、やがて袂を分かちます。

 

でもそこから二人の人生はまだまだ続きます。

時代は移り変わり、塾や学校のやり方も変わる。そしてそれらとも違ったまた新しい教育の形が生まれていき、、、、、、

 

 

大島家年代記

本作は大島家という一つの家族の物語でもあります。

私自身は大島家の孫世代である一郎よりさらに下の世代にあたるんですが、一郎が「クレセント」を設立した動機にはすごく共感しました。結局貧しい家庭の子供たちが教育の享受において不利を被っている。そんな現状は変えなくてはいけませんよね。

 

一郎は血のつながりのない祖父の吾郎に似て、人はいいのですが流されやすいヘタレの部分があります笑

大島家の女性陣はそれぞれパワフルな人物揃いなので余計そうみえるのですよね。

時として強引な手段も使いながら塾の経営に血道をあげる千明。

そんな母に複雑な想いを抱き公教育の現場を選んだ長女・蕗子。

千明に似た頑固さと懸命さをもち、塾業界で働きはじめる次女の蘭。

マイペースながらも、海外に飛び出す好奇心を持った三女の菜々美。

そして、そんな彼女らを死んでからも見守り続ける祖母の頼子。

赤の他人同士が家族になり、一度はバラバラになり、それぞれの道を不器用にでも一生懸命に進んだ末に、再び一つになるまでを追った物語なのです。

 

実写ドラマ

www.nhk.or.jp

 

みかづき」は2019年にNHKによってドラマ化されています。

吾郎役を高橋一生、千明役を永作博美が演じています。

原作よりもアップテンポで、キャラもよりコミカルに描かれていたそうですが、視聴者からの評判はかなり良かったそうです!!

 

U-NEXT経由でNHKオンデマンドを利用すれば、31日の無料お試し期間内にタダで観られるそう!

気になる方はぜひ下のリンクから申し込んでみてください!

U-NEXT

 

詳しいやり方はこちらのサイトにまとめられています。

www.txbb.jp

 ※本ページの内容は2020年四月時点のものです。

最新の配信状況はU-NEXTサイト、NHKオンデマンドサイトにてご確認ください。

 

 

「スピナマラダ!」全話を無料で読んでの感想と紹介~ゴールデンカムイ作者の原点~

こんにちは~チェリーです。

家にいる時間が多い今、面白い漫画に出会いたいと思っている方も多いでしょう。

そんな方に朗報です!!

なんと現在、大人気漫画「ゴールデンカムイ」110話、およびその作者の野田サトル先生の前作「スピナマラダ!」全話が無料で読めてしまうんです!!

 

 ゴールデンカムイのファンは必見!!

まだ野田サトル先生の作品を知らない方も今すぐチェックしてください!

いろいろと衝撃を受けること間違いなしです笑

 

 

あらすじ

フィギュアスケートでオリンピックを目指す有望な選手だった東京の中学生白川朗は、全日本フィギュアスケート選手権の前日にコーチと衣装作りを担当していた母を交通事故で亡くしてしまう。父親のいないロウは母方の親族を頼りに双子の妹のハルナと共に北海道苫小牧に引っ越すことになった。そこでロウは超高校級アイスホッケープレイヤーの源間兄弟と出会って…。

感想

野田サトルの描くスポーツ漫画

「スピナマラダ!」はアイスホッケーを題材としたスポーツ漫画で、舞台は北海道(野田サトル先生の故郷)です。

タイトルの「スピナマラダ」とは、アイスホッケーの技の「スピナラマ」と北海道弁の「なまら」をかけてつくった言葉。北海道色があり、ネット検索で最初に上るからという理由でこのタイトルにしたそうです。

 

担当編集者に「和風闇鍋ウェスタン」と言わしめた「ゴールデンカムイ」とは対照的に、「スピナマラダ!」は王道スポーツ漫画です。もちろん、野田サトル節はこの頃から健在ですが笑

 

主人公ロウはホッケー初心者なので、私のようなスポーツに疎い人でもアイスホッケーがわかるように描かれています。

私は全然知らなかったのですけど、北海道って日本アイスホッケーの本場なんですね。半面フィギュアスケート競技はそこまで盛んではないそう。

主人公ロウは元々フィギュアの選手だったので、アイスホッケーに関する知識はほぼ皆無。しかしフィギュアで身に着けたスケーティングと、もって生まれたしなやかな身体を武器にして、徐々に活躍するようになります。

 

これってフィギュアとホッケーの両方をよく研究しないと描けないと思います。徹底した取材を大切にする野田先生だからこそ、この競技の世界をリアルに描けたのでしょう。

シュートや得点シーンの躍動感も見事。知識がない読者にもわかるように、色々な角度から立体的に捉えられています。ページをめくった瞬間、ハッと息を飲むような独特な構図からも、細部までの作者のこだわりをひしひし感じます。

 

あの人やあのシーンの元ネタ!金カムファンには嬉しい気づき

まずは「二瓶先生」。同じ苗字、同じ顔の人物がゴールデンカムイにも登場しますね。

金カムでは勃起おじさん「悪魔の熊撃ち」として知られるマタギでしたが、「スピナマラダ!」の二瓶は勇払高校アイスホッケー部の鬼監督です。

やたら奇天烈な言動が印象に残りますよね笑

野田先生によると二瓶利光と二瓶鉄造は血縁関係にあるらしいです。

ゴールデンカムイの構想を練る時二瓶を主人公にする案もあったそうですから、野田先生にとってかなりお気に入りのキャラなんでしょう。

 

あとロウが水を飲もうとして止められる「凄いちからだ!!」のシーン。ゴールデンカムイでアシㇼパがサルナシの蔓を吸っているシーンと全く同じ変顔笑

あれってセルフパロだったんですね笑

 ロウの空気読めない性格が、ピリピリしたスポーツの世界に程よく笑いをもたらしていますよね。

連載終了の悔しさをバネにして

高い完成度の「スピナマラダ!」ですが、残念ながら約一年で連載を終えました。

当時は読者からの反応があまり良くなかったそうで、編集長から野田先生に「時間を無駄にして欲しくない」と終了を告げられたそうです。

 

全話イッキに読んで感じたのですが、最初はキャラを把握するのにちょっと戸惑ったのですよね。基本皆ユニフォームかジャージで、シルエットもあまり変わらないので。けれど十話あたりから俄然面白くなって先をめくる手が止まらなくなりました。

ですが野田先生は本作が初連載でまだ知名度も低く、序盤は読者の関心を引くのが難しかったのでしょうね。

 

一度読者を引き込むことに失敗すれば、どれだけ良いものを描こうが挽回するのは難しいです。

       叶える力(7)漫画家 野田サトルさん(朝日新聞)より

意気込んで臨んだ初連載だったからこそ、とても悔しかったでしょうね。

しかしこの経験が「ゴールデンカムイを絶対ヒットさせてやる」という強い想いの原動力になったそうです。

 

ゴールデンカムイ」が有名になってからは「スピナマラダ!」も再評価されつつある模様。だからこそ、こうやって私も出会えたわけですね笑 

全話無料で読む方法

 

上のツイートにあるURLをクリックすると、週刊ヤングジャンプの公式漫画アプリ「ヤンジャン!」へと飛び、すぐによむことができます。2020年五月六日まで「在宅支援キャンペーン」として無料で読むことができます。

アプリをダウンロードすると、他の漫画を読んだり、有料話を読むためのゴールドというポイントももらえます。この機会に試してみてはいかがでしょうか?

 

隠れた名作アニメ映画「パラノーマン」の紹介と感想!!~他人と違うのは悪いことなの?~

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2012 LAIKA, Inc All Rights Reserved 

こんにちは~チェリーです。

今回はアニメ映画「パラノーマン」を紹介します。

ポスターからわかる通り、アニメの中でも、実際のセットや人形を動かし一コマずつ撮っていくストップモーションアニメ」にあたる作品です。この映画で初めて3Dカラープリンターを使ってキャラの顔を作成するという試みが行われました。

 


映画『パラノーマン ブライス・ホローの謎』特別映像 技術編


映画『パラノーマン ブライス・ホローの謎』メイキング映像

制作元のライカストップモーションアニメの映画でよく知られており、ティム・バートン監督の「コープスブライド」の制作に携わったことでも有名。ほかに「コララインとボタンの魔女」や「KUBO クボ 二本の弦の秘密」などが代表作として挙げられます。

 

日本国内ではイマイチ知名度に欠けますが、それがもったいないぐらいの名作です!

 

 

この映画をオススメする人

  • 子供と観る映画を探している人
  • 心によりそう映画を観たい人
  • 社会で疎外感を感じている人

 基本情報

  • 2012年公開
  • 監督 サム・フェル、クリス・バトラー
  • 制作会社 ライカ
  • 音楽 ジョン・ブライアン

 

あらすじ

300年前に魔女狩りの現場になったと言われている町、ブライズ・ホローに暮らす少年ノーマンは、死んだ人たちと会話する能力を持ちそのせいで変わり者扱いされていた。そんなある日、ノーマンは疎遠になっていた叔父から、ブライズ・ホローには「魔女の魂」が封印されており、その魂が悪霊を呼び寄せて町を滅ぼそうとしていることを知らされる。死者と話す能力をもった者たちが何代にもわたり町を守ってきたことを知り、叔父からその役割を受け継いだノーマンは、封印された魔女の正体を解き明かし、町を守るために立ちあがる。

感想


映画『パラノーマン ブライス・ホローの謎』オリジナル予告編

主人公ノーマンは幽霊が見え、話もできる少年です。でもそんな素振りを見せれば周囲の人間は気味悪がるもの。学校でも家でも彼は変人扱いされます。話し相手になってくれるのは祖母(幽霊)と、のんびり少年ニールだけ。

ノーマン自身も、もう受け入れられることは半ば諦めているようで、「一人がいい」と最初はニールも拒絶していました。

ところが、ある時変わり者の親戚のおじさん(この人も実は幽霊が見える)に、魔女の墓での年に一度の儀式を引き継ぐように言われます。半信半疑で墓に向かうノーマンでしたが、驚きの真実が明らかになっていき……!!

 

恐怖と差別は紙一重

 

印象的なのが、ノーマンの父がノーマンを叱った後のノーマンの母の台詞。

「人って時々怒ってみえるわよね。でもそれって怖いからなのよ。」

ノーマンの父は体面を気にしすぎな所はありますが、息子を守りたいという気持ちはあるんですよね。でも息子のことを理解できず、どう接すればいいかわからないのでしょう。

 

かつて「魔女」を処刑した人々も、異質な者を恐れるあまり、かえって自分たちが加害者になって取り返しのつかないことをしてしまいました。

 

最近、パンデミックに端をなす外国人差別や、感染者やその家族への中傷が問題になっています。これも無知や偏見、そしてそこから生まれる恐怖が原因だと言えるでしょう。

 

 

 

魔女の正体

作中のキーワードとなる「魔女」と「魔女狩り」。

実際の歴史でも、中世ヨーロッパや、清教徒移住後のアメリカ大陸で魔女裁判があったのは有名ですね。

 

まずビックリなのはブライス・ホローの魔女の正体。街には今でもおっかない銅像が残っていましたが、本当はたった11才の少女。この子もノーマンと同じ能力を持っていたため、人々に恐れられ、魔女狩りで処刑されてしまったのでした。

その魂を静め寝かしつけるために、霊能者たちが代々絵本を読んで聞かせて来たのでした涙

 

儀式が失敗し目覚めた少女は、ゾンビたちを呼び起こします。(ここでのゾンビギャグがシュール笑。自販機を使えないとか動きがのろすぎるところとか)

ゾンビを怖がってた住民が、武器を手にしたとたん逆に集団で襲いかかってくるのは何とも皮肉。ゾンビたちは彼らに何も危害を加えていません。

でもそれは、かつてゾンビたちが少女にやったのと同じこと。それこそが「魔女の呪い」なんですね。

相手より優勢になったとたん、集団心理に身を任せ弱いものいじめを正当化する。

どんな人でも立場が変わればそうなる可能性はあるのだから気を付けないといけないと考えさせられました。

 

話の着地点も良かったと思います。

ノーマンは少女と同じように迫害されたことがあるので、彼女の気持ちにも他の人より寄り添ってあげることができました。

少女はやっぱりまだ恨みが晴れないものの、ノーマンの説得で、アギーという自分の名前を思いだし、「ママに会いたい」という想いから成仏することを選んだのです。

 

誰かを憎むことはすごくエネルギーがいることなんですよね。ゾンビたちに復讐してや

りたいのは当然ですが、彼らも自分たちの過ちを嫌というほど反省させられた訳ですし。

ノーマンの言う通り、意地悪してきた人だけでなく愛してくれた人たちのことを忘れずにいる方が、やっぱり幸せではないでしょうか。

 

だからこそ姉のコートニーやニールがノーマンを住民からかばうところで少しホっとしました。コートニー、途中までは結構ムカつく感じでしたけどね笑

 

宣伝にもう一工夫ほしい

構想に十年、制作に三年かかったという本作。

制作陣たちの並々ならぬこだわりが伝わってきます。

ただ、ストップモーションを物凄くプッシュされても、一般のお客さんにはあまり響かないと思うのですよね~。技術も手間も相当なことは確かなのですが、、、。

 

ノーマンやアギーのキャラ造形とか、ノーマンの持ってるゾンビグッズとか、オタク心をくすぐる点はいっぱいあるのですが、それは観ないとわからないですし、、、。

良さを伝えるのが難しいタイプの映画なんですよね笑

 

 

 

まとめ

今回は映画「パラノーマン」を紹介しました。

派手さはないものの、観た人の心に残り続ける名作だと思います。

皆さんもぜひご覧ください。

それでは~

映画「シュガー・ラッシュ オンライン」の紹介と感想!ディズニーからインターネット入門

https://www.instagram.com/p/BjkYVB6HqFx/?utm_source=ig_web_copy_link

 

こんにちは~チェリーです。

コロナの影響もあってインターネット漬け の毎日が続いてますよね~

今や大人も子供もスマホでネットにすぐアクセスするのが当たり前。

でもインターネットの仕組みって案外よくわかっていないもの。

 

今回はそんなインターネット初心者にもやさしい映画「シュガーラッシュオンライン」を紹介します。

アニメ映画「シュガーラッシュ」の続編ですが、前作を観てない方でもあまり問題なく楽しめます。

ディズニーらしい良さも存分にありつつ、その変化も感じられる良作です。

ぜひご覧になってください!!

 

 

 

この映画はこんな人におすすめ!

  • ディズニーファンの方
  • ゲーム好きの方
  • 子供と映画を楽しみたい方

基本情報

  • 2018年公開
  • 監督 リッチ・ムーア、フィル・ジョンストン
  • 制作 ウォルトディズニー・アニメーション・スタジオ、ウォルトディズニー・ピクチャーズ

あらすじ

元気いっぱいのレーサー・ヴァネロペと心優しい悪役・ラルフは大親友。ゲームのキャラとして楽しく暮らしていた。ところがヴァネロペのゲームが故障。必要なパーツを手に入れるため、二人は未知のインターネットの世界に足を踏み入れ、、、、、、、。

感想

うまく展開された続編

前作「シュガーラッシュ」では、ゲームの中の世界を舞台に、じぶんの役割に悩むヴァネロペとラルフの冒険と成長を描いていました。

それの続編としてインターネットの世界を舞台にするのはなるほどという感じ。

さすがはディズニー、「インターネット」という見えない世界をあれだけ楽しくわかりやすく可視化する手腕はあっぱれです。

ネットは苦手という人にも「IPアドレスとかブラウザってこういうことだったんだ~」とすっと入ってきます。

 

それから主人公二人の変化と悩みも描かれます。

新しいことにチャレンジしたいヴァネロペと、ずっとこのままの暮らしを続けたいラルフ。

前作で友情を築いた二人でしたが、「親友だけど決定的な意見が違う」という状態になる訳ですね。

そして自分の望みを自覚するヴァネロペ。親友が離れていくのが我慢できず暴走するラルフ。(あのコピーラルフ巨人は結構キモかったですね笑)

 

けれど最後にはお互いを尊重し、自分に正直になることを二人は選ぶのです。

 

それに二人は離れていてもいつでも顔をみて話せます。だってインターネットがあるから。

ラストの、ゲームセンターにまた朝日がさすシーンは、親友とはなれセンターに残ったラルフの選択も優しく応援してくれるようで印象深いですね。

光る身内ネタ

本作の見どころといったらやっぱりコレでしょう笑


『シュガー・ラッシュ:オンライン』プリンセスの“女子会”シーン

予告編の時点で話題となったプリンセスの女子会。

部屋着が可愛いですよね~

「プリンセスは水面に顔を映して歌うのよ」言われてみれば確かに笑

唯一ピクサー出身のメリダがちょっと浮いてるのもツボ。ピクサーから「メリダも入れて]と頼まれたそうです。

movie.walkerplus.com

 


ベビーグルート登場『シュガー・ラッシュ:オンライン』本編映像

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」からグルートも登場。

マーベル・スタジオもディズニーの傘下にあるんですね。

 


「シュガー・ラッシュ:オンライン」MovieNEX 特別映像

お得意の隠れネタも豊富。

皆さんはいくつわかりましたか?(私はマグカップもディスクもわからなかったです汗。)

ちなみに、、、、、、エンディングロールの後に出てくるあの女の子は、、、、、、

 


なんとストームトルーパーまで!ディズニーキャラが満載すぎる!映画『シュガー・ラッシュ~』本編映像

スター・ウォーズのストーム・ルーパーがディズニーの警備をしてます。

カイロ・レンを出したかったのですが断られたそうです。

変わっていく?ディズニーキャラ像

自虐ネタ?を披露してくれるプリンセスたちですが、「男の人がいなければなんにも出来ないと思われてる女の子」という従来の「お姫様像」は、やっぱり今の時代は違和感をもたれます。「女の子は皆プリンセスになりたい」というセリフを押しつけがましく思う人もいるでしょう。

だからこそ、ヴァネロペは「プリンセスのドレス」を着ないのですよね。

 

でも悩むヴァネロペにアドバイスを与え、最後にラルフを助けるのもプリンセスたち。

これも「王子様の助けを待つ」というイメージへのアンチテーゼなのかもしれませんが、「自分の決めた道を勇気をもって進む」という姿勢への応援にも感じられます。

 

決して伝統やプリンセスを全面否定せず、時代に合わせて自らより良い方向に変わろうとするディズニーの精神の表れだと思いたいですね。

 

新旧キャラも登場

 
ヴァイオレンスなオンラインゲームのレーサー・シャンク。
ヴァネロペを新しい世界に導く姉御肌なキャラです。カッコいいですよね。
英語版の声優はイスラエル出身の女優「ガル・ガドット」。シャンクのキャラデザインは彼女からインスピレーションを受けて決定されたそう。
日本版の声優が菜々緒なのも本当にピッタリでした!
 
 
動画投稿サイトBuzz Tubeの管理人・イェス
ラルフにインターネットの良さや怖さを教える存在。最初はキツイ感じでしたけど結構面倒見がいい人でしたね。
 
その他、フェリックスと軍曹のカップルやシュガーラッシュのレーサーたちも登場。
相変わらずお人好しなフェリックスと息ピッタリの軍曹が微笑ましい
前作を観てる人にはうれしいですね。
 

まとめ

今回はディズニー映画「シュガー・ラッシュ・オンライン」を紹介しました。

笑いあり、学びあり、そしてホロリありの良作アニメです。

ぜひご覧ください!

 

では~

 
 
 
 

 

ジェラルディン・ブルックスによる歴史ロマンミステリ小説「古書の来歴」を紹介!

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画像はアマゾンからお借りしました。

こんにちは~チェリーです。

今回は「古書の来歴(原題 People of the Book)」という小説を紹介します。

 

ジャーナリスト兼ピュリッツァー賞作家による重厚な歴史ロマンミステリ小説です。

中世のスペインで作られたある稀覯本にまつわる激動の歴史を、ユダヤ教徒たちやその周囲の人々の視点から描いた一作。

 

普段私たちにあまりなじみのない地中海沿岸地域の歴史を知るきっかけにもなるし、登場人物たちの運命に想いをはせ、人間の心についても考えさせる傑作です。

 

また、ハードカバー版の装丁がとっても美しく神秘的。本作の内容を見事にあらわしています。

 

本好き、歴史好きの方はぜひ一度よんでみてください。

 

 

基本情報

 

あらすじ

ハンナはオーストラリア人の古書鑑定家。ある日、100年も行方不明だった「サラエボ・ハガダー」が発見されたと連絡を受け、すぐさまサラエボへと向かった。

ハガダーはユダヤ教の「過ぎ越しの祭り」で使われる祈りや詩編の書かれた書。偶像崇拝を禁止されていた中世ユダヤ教の書にしては珍しく、サラエボ・ハガダーは美しい細密画が多数描かれていることでも有名だった。それが1894年以来行方が分からなくなっていたのだ。

鑑定を行うハンナは、羊皮紙に挟まった蝶の羽の欠片に気づく。それを皮切りにハガダーに封印された歴史が紐解かれ始め、、、、、、、。

 

感想

ちょこっと解説

まず驚くのはこのハガダーは実在するということです。

筆者がボスニア紛争の取材をしている時、サラエボの国立博物が爆撃で破壊され、そこに所有されていたハガダーも行方不明となります。

やがて紛争が終わると、イスラム教徒の学芸員が砲撃からこの本を守り、銀行の金庫室に入れていたことが明らかになります。

また第二次世界大戦の時には、あるイスラムの学者が、ナチスからこの本をまもるため、山の中のモスクにハガダーを持って行って隠しました。

このような勇敢で誠実な行為があったおかげで、この本は今も存在しているんですね。

 

原題の"People of the Book"は、通常日本語で啓典の民と訳されます。

イスラム教では、聖書(The Book)をクルアーンに先立つ啓典とし、ユダヤ教徒キリスト教徒を「啓典の民」として保護すべき対象としています。

本作の中心となるサラエボ・ハガダーが作られたのは十四世紀半ばからコンビベンシアと呼ばれる、ユダヤ教徒キリスト教徒、イスラム教徒が比較的平和に共存していた時代にスペインでつくられました。

つまり、The Bookとは、これらの異なる宗教の人々を結び付けてきたハガダーと聖書の両方を指していると考えられるのではないでしょうか。

 

本作の舞台がボスニアであることも意味があります。

非常に長く複雑な歴史を持ち、様々な民族や宗教が入り組んだこの土地は、第二次世界大戦時に凄惨な民族同士の虐殺を経験しました。

その後旧ユーゴスラビアが誕生し、その構成共和国の一つボスニア・ヘルツェゴヴィナは、イスラム教を中心に、ユダヤ教キリスト教など多宗教、多民族がゆるやかに共存する国でした。

ところが、1990年に、ユーゴスラビアにとどまりたいセルビア人と独立を望むボシュニャク人とクロアチア人の間で緊張が広がります。そして独立が宣言されると、全土で戦いが始まり、再び「民族浄化」と称した差別や虐殺、強制収容、そして強姦や強制出産が行われます。

1995年、国連の調停で紛争は終結。現在のボスニアヘルツェゴビナが成立します。

現在治安は安定し観光客も多く訪れるようになったサラエボ。民族間の壁が解け、新たな歴史や文化をまた作っていくといいですね。

 

圧倒的な描写力

実際に現場を見てきたジャーナリストが書いているからでしょうか。各時代の街や人々の描写が非常に精緻でリアルです。

まるで自らが中世から現代にいたるまでのヨーロッパを旅している気分になります。

蝶の羽、、失われた銀の留め金、ワインの染み、海水の跡、謎の白い毛、、、、、

これらにまつわる歴史が明らかになっていく過程はミステリ好きにはたまりません。

 

また優秀な主人公ハンナの一人の女性としての悩みや恋も描かれていて、本作が読者によりリアルに感じられるようになっています。

そのハンナ自身もハガダーとユダヤの歴史に大きく関わるようになっていって、、、、、、、

 

その他の登場人物も、それぞれの時代で彼らなりに必死に生き延びてきたのですよね。

誰かひとりでもいなかったら、ハガダーは、迫害や戦争、焚書の困難の中生き残ることはなかったでしょう。

一人の悪人よりも、大多数の人間のささいな苛立ちや悪意、そして差別が歴史を大きく変えてしまう。

それはいつの時代も変わらない残念な真実。長くヨーロッパで迫害されたユダヤの歴史やサラエボの紛争がそれを示します。(ハガダーを救ったけれど家族を失ったオズレンの言葉はすごく刺さります涙。)

けれど、どんなに辛い状況でも、幸せや希望を見出しまた未来に歩みだせる心の強さが人間にはあります。

ハガダーが作られ、守られた歴史はそれも証明しているのです。

 

著者紹介

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画像は以下の公式サイトから

Geraldine Brooks official author website

 

作者のジェラルディン・ブルックスという方はオーストラリア出身のジャーナリスト。ウォール・ストリートジャーナル紙でボスニアソマリア、中近東地域の特派員をつとめました。

ボスニア紛争の取材中、サラエボ・ハガダーという稀覯本の存在を知ったことが本作のきっかけとなりました。

 

本作の前に、ペストに襲われた17世紀のイングランドの村を舞台とした「灰色の季節をこえて(原題 Year of wonders)」若草物語のマーチ家の父を主人公とした「マーチの父 (原題 March)」を執筆しています。

「マーチ家の父」ではピュリッツァー賞を受賞しました。

 

現在、同じくピュリッツァー賞作家でジャーナリストの夫トニー・ホルヴィッツと、息子ともにアメリカで暮らしています。

 

まとめ

今回は「古書の歴史」を紹介しました。

ここに書ききれなかったくらい、まだまだ魅力のつまった傑作小説です。

本や映画、歴史が好きなら絶対おすすめです。

ぜひぜひ読んでみてください

では~